慢性閉塞性肺疾患(=COPD)って何?

2006年8月23日

慢性閉塞性肺疾患とはChronic(=慢性) Obstructive(=閉塞性) Pulmonary(=肺) Disease(=疾患)という英語の病名を日本語に直訳したものです。日本語にしろ英語にしろどっちにしてもながったらしい名前なので、英語の頭文字をとってCOPDというのが一般的となっています。余談になりますが、肺はLungだろう、とおっしゃる方がいると思いますが、肺のより正式ないいかたがPulmonaryなのです。しかしこの病気、一時期Pulmonaryの代わりにLungの頭文字をとってCOLDと呼ばれたこともあります。
 この病名が決まるまでにはちょっとした歴史があって、英国では「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気と米国で「肺気腫」と呼ばれていた病気をよく調べてみると結局おなじ病気だということがわかり、両方ともCOPDと呼ぼうということになったのです。
 現在日本国内で500万人~700万人の患者さんがいると推計されていますが、実際に治療を受けている方は50万人程度といわれています。なぜこれほど受診率が低いのかといいますと、この病気の主な症状は息切れ、咳、痰なのですが、多くの方が年のせいだろうと医療機関を受診しないのがひとつの理由、二番目の理由は、この病気の診断にはスパイロメーターという肺機能を測定する機械が必要なのですが、この機械があまり多くの医療機関に普及していないこと、三番目の理由としていままであまり有効な治療法がなかったので、医師の側でもあまり積極的に病気を見つけようとしなかったことがあげられるでしょう。
 病気の原因はほとんどが喫煙です。じぶんで吸わなくても受動喫煙で発症することもあります。頻度的にはそれほど多くありませんが、大気汚染が原因で発症することもあります。
 病気の主因はうまく(速く)息が吐けないことによります。階段などをのぼるとき息が速くなります。速くなると吐ききれない段階で次の息を吸うためどんどん空気が肺に溜まり、吸えなくなるため息切れが生じるのです。これをもうすこしカッコイイ?いいかたをすると、肺でのエアートラッピングといいます。トラップとはわな、とか捕獲、という意味で肺に空気(エアー)を捕獲し、溜め込んでしまい、その結果肺が風船のように膨らんでしまうことをこう表現するわけです。肺機能検査(スパイロメトリーという)での特徴は、肺活量は正常だけれど一秒間に吐ける量が低下してしまうことです。
 それでは治療はどうするかですが、
1、 まずは禁煙です。人間の肺機能は加齢とともに落ちていきますが、喫煙するとさらにそのスピードが速くなってしまいます。禁煙だけでもかなり息切れの改善する患者さんがたくさんいます。
2、 薬物療法では主にエアートラッピングを改善させる、気管支を拡げる薬をつかいます。いままでの喘息の薬はあまり有効ではなく、吸入抗コリン剤という薬が主に用いられます。なかでも2004年の12月に発売になったスピリーバという薬はよく効き、吸入したその日から効果が実感できる患者さんも多いようです。
3、 非薬物療法として呼吸リハビリも重要です。呼吸リハビリとは、腹式呼吸をしたり、適度な運動をしたり、呼吸のときに使う筋肉を鍛えたりすることです。
4、 重症になった場合は在宅酸素療法といい、家庭で酸素を吸う治療をする場合もあります。
5、最後に大事なのが感染予防です。この病気を急激に悪くする因子はインフルエンザや肺炎などの感染です。そこでCOPDと診断された方は、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が普通の方以上に重要といわれています。
 どんな病気でもそうですが、COPDも早期発見早期治療が大切です。階段や急ぎ足の時に息切れを感じたら、年のせいだと片付けずに早めに医師に相談してください。




 

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