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糖尿病と血管障害

2005年5月23日

 糖尿病はいまや日本人の国民病になっています。予備軍まで含めると1600万人あまりの患者さんがいると推定されています。糖尿病は発症時にはのどの渇きや全身倦怠感などの症状がでることもありますが、時間がたつと多少血糖が高くても無症状の方が大部分です。ではなぜ糖尿病は治療しなければならないのでしょうか?感染症(歯肉炎、水虫など)にかかりやすいのを予防することもありますが、なんといっても一番大きな目的は血管障害の予防です。

糖尿病による血管障害にはふたとおりあり、微小血管障害と大血管障害に分けられています。

微小血管障害とは顕微鏡レベルの血管がおかされる病態で腎障害(悪くなれば透析)、網膜症(失明につながる)、神経障害があります。
大血管障害とは目で見える血管の障害で脳卒中、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症(最悪の場合下肢切断になります)で、微小血管障害より命に直結している血管障害です。
糖尿病に関する研究で最も有名なものは、UKPDSというイギリスで行われた研究です。これは3867人(平均年齢54歳)の糖尿病患者さんの半分にはできるだけ血糖を下げる治療を行い平均血糖(HbA1C=ヘモグロビンエーワンシーあるいはグリコヘモグロビンと読む)を良好に保つようにし、残り半分は従来の治療をしました。その結果HbA1Cが

1さがると微小血管障害は35%も予防できるのに対し、心筋梗塞は18%、脳卒中は15%しか予防できないことがわかったのです。

その後の研究で心筋梗塞や脳卒中などの大血管障害は食後の高血糖も大きな影響を与えることがわかってきました。急激な血糖上昇が大血管障害をひきおこすのです。
簡単なたとえをすれば、1日のうち半分の時間の血糖が100で、残り半分の時間の血糖が200の人と、この血糖が140と160の人ではどちらも平均血糖は150となりHbA1Cは同じになります。しかし大血管障害は前者によりおこりやすいのです。ようするに激しく血糖が上がり下がりすることが大血管障害を引き起こしやすくするのです。

糖尿病治療においてともすればHbA1Cがよい数値だと安心してしまう患者さんが多いのですが、(もちろんHbA1Cを良好に保つことは大事です)食後の高血糖を治療することも忘れてはならないのです。

食後高血糖をさけるにはゆっくりたべることと、甘い物は吸収がよく食後高血糖をおこしやすいのでなるべくさけることです。それじゃストレスがたまっちゃうという方、たまには饅頭一個、ケーキ半分ぐらいは、がんばっている自分へのごほうびとして食べてもいいんじゃないでしょうか。たまにはとは週2回位です。一日2回は「たまには」とはいいません。

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